映画『あん』を観て、樹木希林さんを想う。

2018年9月15日に樹木希林さんが亡くなった。その日私は、友達と池袋で食事をする約束をしていた。少し早めに着いた為、池袋西口公園をブラブラと散歩していた。
天気も良くて、気持ちいいなぁと思い歩いていたら、携帯がブルブルと振るえた。友達が着いたのかなと画面を見ると、速報ニュースで「俳優の樹木希林さんが亡くなりました。享年75歳」と表示されていた。私は思わず「えっ」と声に出してしまった。私は樹木希林さんがとても好きだった。そして、そのニュースを見た時の自分の感情を確認して、本当に好きだったんだなと改めて思った。自分が「全身がん」である事を、2013年の日本アカデミー賞の時に公表し、大きくニュースになっていたので健康な状態ではないんだなという事は知ってはいた。とはいえ、その後メディアで元気な姿を何度か見ていたし、映画にも出演していたから、まさかこんなに早くに亡くなるという事を想像していなかった。今年の9月で樹木希林さんが亡くなられて1年が経った。その節目として樹木希林さんの追悼番組や映画をテレビで放送していた。全て録画して、ようやく先日、永瀬正敏さんと樹木希林さんw主演の映画『あん』を鑑賞した。素晴らしかった。この映画ではお孫さんの伽羅さんとも共演している。樹木希林さん扮するハンセン病患者の老人が、ある日小さなどら焼き屋を見つける。そこで永瀬正敏さん扮する、一人寡黙にどら焼きを作る店長に働かせて欲しいと声をかける。一度は断られるが自分が作った『あん』を置いて帰って行った。それを食べて店長はあまりの「あん」のおいしさに働いてもらうことにした。しかししばらくすると老人がハンセン病患者だとわかり・・。という様な内容。たくさん素晴らしいシーンがあったけれど、特に印象的だったのがラストの方で樹木希林さんが大きな木に寄りかかっているシーンだった。木から自然現象で白い蒸気が出ていて、そこに寄り添う樹木希林さんの姿があまりにも神秘的で目を奪われた。樹木希林さんが生前に、「死ぬのは当たり前の事。だからちっとも恐くない」とおっしゃっていた事を、そのシーンを見ていて何故か唐突に思い出し、心にストンと落ちた。こういう事か、と。また来年の9月になったら『あん』を観ようと思う。